コンタクトレンズ

眼科医院でのコンタクトレンズ診療の意義

近年、多くの方々がドラッグストア、雑貨店やインターネットなどでカラーコンタクトレンズを購入して装用し、結果的に眼に傷がついて痛くなったり細菌やアメーバに感染して重症になることがあり、社会問題にもなっています。この背景には、カラーコンタクトレンズの粗悪品が外国からたくさん輸入され販売されている実情があります。
 しかし、カラーコンタクトレンズを含むコンタクトレンズ全般は、厚生労働省によって高度管理医療機器に指定されているはずのものです。すなわち、コンタクトレンズは、眼科医の管理の下で処方・購入されるべきものです。大切な眼の健康を守るため、普通のコンタクトレンズのみならずカラーコンタクトレンズに関しても、眼科医に相談して購入するのが良いと思います。

 

ハードコンタクトレンズ

ハードコンタクトレンズはソフトコンタクトレンズに比べて歴史が古く、長年の間に数々の改良が重ねられ、現在はその大部分がガス透過性の素材でできています。黒目の表面とコンタクトレンズの間に涙の層が常にあるので、黒目が酸素不足になりにくく、より自然の状態に近いと言えます。ソフトコンタクトに比べた長所としては、①角膜感染症などの重い目の病気になりにくい。②黒目の表面の歪み(角膜乱視)が強くても矯正可能、③正しく使えばレンズの寿命が長い(2~3年)。短所としては、①目に少しゴミが入った程度で痛くなる(これは長所でもあります)。②ソフトよりずれやすく、落として紛失しやすい。③数年~数十年使っていると、瞼が下がってくる(眼瞼下垂)場合がある。ということが挙げられます。黒目のカーブ(角膜曲率)やその他の眼の状態に合わせて、眼科医診察のもと正しい処方が必要です。
また、角膜の歪み(角膜不正乱視)が強く起こる円錐角膜という病気の場合は、ハードコンタクトレンズが十分な視力を得る唯一の手段になりえます。これはハードコンタクトレンズが歪んだ黒目の表面を光学的に矯正してくれるからです。ただし円錐角膜が強いと、通常のハードコンタクトレンズだとずれやすかったり痛くて装用できない場合がありますので、その際は円錐角膜用の特殊ハードコンタクトレンズが必要となります。こちらに関しても当院で対応しております。

ソフトコンタクトレンズ

ソフトコンタクトレンズは装用感が比較的良く、コンタクトレンズがずれたり外れて落ちるようなことが少ないので、近年飛躍的にユーザーが増えてきました。材質に関しては現在大きく分けて2つの種類(高含水性ハイドロゲルとシリコーンハイドロゲル)があり、大抵の方にはどちらも合いますが、患者様の眼の状態によってはどちらか一方をお勧めする場合もあります。ハードコンタクトに比べた長所としては、①装用感が良好、②レンズがずれたり落ちて紛失することが少ない、③比較的激しいスポーツでも可能。短所としては、①強い近視や強い乱視を矯正できない場合がある、②黒目に少し傷がついても痛みを感じにくいので、角膜感染症など重い目の病気にかかることがあり得る。③強いアレルギー結膜炎を引き起こすことがある、ということが挙げられます。ハードコンタクトレンズに比べてレンズにタンパク質が沈着したり劣化しやすいので、現在は一日使い捨てや2週間使い捨てタイプが主流です。ソフトコンタクトレンズによる角膜感染症が近年問題となっていますので、正しい装用・洗浄・消毒・保存と眼科医による定期的検診が必要です。

当院隣接コンタクトレンズ販売店で取り扱っている主なコンタクトレンズ

ジョンソンアンドジョンソンのソフトコンタクトレンズ: モイスト、モイスト乱視用、オアシス、オアシス乱視用、トゥルーアイ、ディファイン(カラー)など。

メニコンのソフトコンタクトレンズ: マジック、ワンデー、プレミオ、プレミオ乱視用、Rei(カラー)、Rei乱視用、2week遠近、マンスウェア、ソフト72、など。

メニコンのハードコンタクトレンズ: Z、ティニュー、フォーシーズン(3か月毎交換ハード)、Z-E1(円錐角膜用)

ボシュロムのソフトコンタクトレンズ: メダリストワンデープラス、バイオトゥルー、バイオトゥルー乱視用、メダリストⅡ、フレッシュフィットコンフォート、66トーリック(乱視用)、など。

アルコンのソフトコンタクトレンズ: アクティブ、トータルワン、エアオプティクスアクア、エアオプティクス遠近、など。